最近、精神の浮き沈みの波が小さくなってきているからか、すっかり自分が障害を負っていることを気に留める習慣がなくなってきた。
浮き沈みは誰だってある、と思えてくるようになったし、最悪な時は一日中寝込んでいたがそんなこともなくなった。
ただ困ったというか残念に思うことは、精神障害者の立場になってものごとを考えられなくなったことだ。
文章を書く上で「こころに病を負った人たち」「こころの障害」を大きなテーマとして書いてきたからだ。
たしかに病院にも通っているし、薬も服用している。かなり量は減った。
まるで他人事のようになっている自分がいる。
それは私にとって、決してラッキーなことではない。
楽になったことは幸いなのかもしれない。いい人になるつもりはないが、自分も苦しんだ昔を思い出せば障害を負った人に、冷たい視線で見るのは嫌だと思う。
当事者だったから書けたことがたくさんあった。もちろんいまも当事者だけれども。意識が違う方に向かっていることはたしかだ。
でもどんな人間であれ、人は前進している。
目の前や周りの景色が変わって当然だと思う。いつまでも同じ場所には居られないのだ。
春、だから私は次に向けて歩き出そうと思う。
