私の人生のそばにあったもの。

バッハ 前奏曲ハ長調 BWV 846 LANG LANG

今、あなたが音楽が聴ける環境にあるのなら、この美しい曲を聴きながら、癒されてくれたら嬉しい。

ピアノの「旧約聖書」とも言われるほど鍵盤楽器奏者にとって重要なバッハによる作品集の第1曲です。

流れるような曲を聴きながら、私の駄文をお読みください。

私が物心ついた頃から、いつもそばにはピアノの存在がありました。

明治生まれの祖母がまだ生きていた頃、家でのピアノの指導はいつも祖母がしてくれていました。

祖母は山口県の有名な女学校で、外国人の先生にピアノを習っていました。そのためか、ピアノは90歳近くまで楽譜なしで弾いていました。

私にはそれがなんの曲なのかわからなかったし、祖母に聞いたとしても、おそらく祖母も曲名も何かもわからないままに、弾いていたかもしれません。

そんな祖母が亡くなり、私も実家を出て、誰も触ることのなくなったピアノは、両親が家を引き払うこととなったと同時に、ピアノも売りに出されました。

私はとてもショックだったのを覚えています。でも祖母がいなくなって、ピアノを弾けるのが唯一私でしたので、家に居なくなった私には誰を責めることはできませんでした。

現在(いま)大事なピアノは、美しい音色とともにそばにいます。

多くの美しい曲を新たに教えてくれたあなたに感謝して。

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