フィクションかもノンフィクションかもしれない話。(12)

私の顎には、首を絞められた時にできた、こぶが、顔にはアザが残っていた。

今度こそ被害届を出そう。そう決めていた。

最初は年配の警察の人にいろいろ質問された。つまり、ここまでことが大きくなったのは、私が悪い。と言わんばかりだった。まるで説教だった。

被害者の私がなぜ説教?納得のいかない話ばかりだった。警察へ来てまで説教?

次に話しかけてきたのは、女性の警察官だった。おそらく女性には女性が話しやすいということだったと思う。

ところが今度は若い刑事が来た。まるで私が加害者のように、次から次へと立ち替わり入れ替わりやってきた。

しまいには、警察署のトップらしき人が私の様子を見に来た。

どうしてマスクをしているのか、と私に上からものをいうように質問をしてきた。

私は「マスクをしていると安心なんです」と言いながら、外してみせた。

最後は、さっきの若い刑事が落ち込んでいる私に話しかけてきてくれた。面白い人だった。

結局最後はこうだった。

「訴えることはできますが、時間もかかるし、あなたが嫌な思いをするだけですよ」

愕然とした。警察は、面倒な「小さな出来事」で、助けてくれたりはしないんだと。

帰りは若い刑事が名刺をくれた。「何があったら、私に連絡ください。私からも、様子を聞かせてもらいたいので電話します」名刺には「刑事課」とあった。

帰りは送ります、と女性の警官が言ってくれたが、事件が起きたのか、私どころではなくなったようで、ひとりで帰った。

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